今年度最後となる、3月のワンデイミーティングを振り返ります。今月のレポートは三浦が担当します。
「宗像の価値を上げるために、常に考えつづける習慣を身に着けてほしい」
掲げるこのコンセプトのもと、日々の業務から一歩引き、チームの知見を共有する場です。天野からは「仕事をしなくていいからラッキーと思ってない?」と毎月チクリと言われますが、個人的にはとても楽しみな一日です。
09:00~ 「2040年に向けて私たちは何を準備したら良いのか?」

午前中は、西日本鉄道株式会社シニアマネージャーの大島様を外部講師としてお招きしました。
テーマは「労働力不足の中で職場や地域社会をいかに維持していくか」。
提示されたデータは、かなりシビアな事実でした。
予測では、2040年に運輸や建設、介護などの労働力が1,100万人も不足するとされています。
さらに西鉄バスにおいても、何も手を打たなければ2035年には約35%の運転者が不足するそうです。
資料の中でハッとしたのは、1934年の福岡県乗合バス事業者の分布に関するエピソードです。
「バスも走っていなければ嫁が来てくれない」と、当時の地域関係者が出資し合って各地に乗合事業者が生まれたのだとか。
インフラは単なる移動手段ではなく、共同体の存続そのものに直結しているのですね。
講演の結びに紹介されたネイティブ・アメリカンのことわざが胸に刺さりました。
「『問い』を持った部族は生き残ったが、『答え』を持った部族は滅びた」
超高齢社会や人口減少に対する完璧な答えなど、今の日本にも、もちろん私にもありません。だからこそ、私たち自身が地域課題に対して常に問い続けなければならないのだと感じました。

10:40~ 図形伝達コミュニケーション・ワーク
休憩を挟み、次は私が企画・担当した「図形伝達コミュニケーション・ワーク」の時間です。
目的は、日常業務に潜む「定義の違いによるコミュニケーションのギャップ」を客観的に可視化すること。
ルールはシンプルで、図形を見る側(送信側)が「言葉のみ」を用いて、図形を見ない側(受信側)に正確に図形を描画させるというものです。
「自分は伝わると思っている言葉が、相手によってはうまく伝わっていないんじゃないか?」というズレを浮き彫りにするためのワークです。

人数的に3チームで分かれて順番にワークを行い、全体で振り返ることを繰り返しました。
待機している観察者のメンバーは、前チームが苦戦するプロセスを分析し、「自分たちならどう戦略を立てるか」を考えます。
まるで、遠く離れた相手に対して、極めて限られた通信手段でメッセージを送ろうとするかのような体験で、小説の『三体』や『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を思い出しました。

図形の難易度やルールの設定により、想定していた目的が達せられない場面も出てしまいましたが、人生初のワーク実行役として、とても楽しめました。私自身の課題も山盛りです。
12:00~ ランチ会〜午後のワーク
頭をフル回転させた後はランチ会。こうした時間は、午前中のワークの熱を冷ましつつ、フラットな意見交換ができる良い緩衝材になります。
13時からは、天野担当の「午後のワーク」が行われました。
題材は、阪神・淡路大震災の経験をもとに作られた「クロスロード」というカードゲームを、くりえいとバージョンに昇華したものです。
災害対応にあたった市役所職員へのインタビューをもとに作られており、震災時には「正解のない二択」を迫られる場面が多かったそうです。
(場面によっては二択どころではなかったかもしれません)

はじめはオリジナルのクロスロードを数問やってみました。
トロッコ問題のように、もしこれが現実で起きたら自分はどうするのか……と、考えるだけで辛くなるような問題もありました。
そこから、当社の事業に置き換えて作られた問題をプレイしました。
私はここで別件の打合せに出てしまったため後半は割愛しますが、正解などない中で重要なのは「あらゆる事態を想定したルール設計」でした。
今回学んだ考え方は、今後の仕事をする上で必ず持っておきたい視点です。
私は普段、不動産関連の業務を担当していますが、今後は他部門の抱える課題などについても常に当事者意識を持って考えていこうと思えるワークでした。
ミーティング後に考えたこと
ところで、この記事は昨日の筋力トレーニングによる心地よい(トレーニーにとっては幸せな)筋肉痛を感じながら書いています。
筋肉は、適切な負荷をかけ、筋繊維が一度破壊されることで、修復時に以前よりも強く大きくなります。
すぐに結果が出るものではなく、日々の地道な積み重ねと、正しいフォームの探求が欠かせません。
ふと、大島様のお話にあった「2040年に向けた準備」も、ワークの内容も、これと同じだと気づきました。
現在の社会インフラや私たちの当たり前は、人口減少という強烈な負荷に耐えきれず、あちこちで悲鳴を上げ始めています。
しかし、それを単なる衰退と捉えるか、筋破壊と超回復のプロセスと捉えるかで、今後のアクションは大きく変わるはずです。
私は、すぐに完璧な答えを出せるほど完璧な人間ではありません。それでも、問いを持つという適切な負荷をかけ続けなければならないと感じています。
筋肉痛のように、時には組織の中に摩擦や葛藤といった痛みを伴うこともあるかもしれません。
しかし、その痛みの先にある成長を信じて、今日も宗像のまちで思考を止めずに走り続けたいです。