第2回宗像ビジネスくりえいとカップ【後編】|本選レポート 5人の挑戦と優勝決定まで

2026.03.14

第2回宗像ビジネスくりえいとカップ【前編】はこちら

14時、開会。

ぼくらは位置について横一列でスタートをきった―――

(文章のテンションを高めるために、スガシカオを入れてみた。BGMスタートお願いします(笑))


三木博文さん|廃木から価値を生む「漆」

会場でマイクを持ち、漆の事業についてプレゼンする三木博文さん
「漆」の三木博文さん

先鋒は三木博文さん。

廃棄される「漆(うるし)」の廃木を再利用する、天然染料の染物の販売と染料素材の商品化。

エシカルな商品企画であるだけでなく、染物は機能性も高いうえ、漆をとる職人さんの経済性まで考慮した計画。

実際の漆染の商品も持参され、多くの人がそのもののクオリティを理解することができた。

以下は、当日のオーディエンスのご意見を抜粋したもの。

– 問題意識、課題、解決方法としてのサービス、ビジネスプランが整っていた。

– 日本文化と関わりの深い漆の世界がさらに広がりそうでワクワクしました。神社仏閣や漆器業界など、漆に関連するみなさんの応援や繋がりも期待できそうです。宗像大社さんとコラボして漆染の御朱印帳を販売して欲しいです。

会場でマイクを持ち、漆の事業についてプレゼンする三木博文さん
漆染の商品を手に取る

住永悠樹さん|宗像産卵で勝負する「タルタル」

会場でタルタルソース事業についてプレゼンする住永悠樹さん
「ミスター タルタル」住永悠樹さん

続いては最年少、住永悠樹さん。

宗像産の卵を使用し、マヨネーズを使わない「タルタルソース」の製造・販売のアイデアを、熱く熱く語ってくれた。

22歳だが、もう現在の会社を卒業して「タルタル」で生きていく覚悟を決めている。

この日、住永さんはタルタルを使った具の「おにぎり」で起業することを中心に話をされ、審査員のためにおにぎりを作ってくれていた。

カレータルタルのおにぎりと、サバタルタルのおにぎり。

私はお腹すいていたので思わず笑顔に(笑)

オーディエンスのご意見はこちら。

– 地域密着性と、実現性が1番具体的でした。宗像でやる理由があると感じた。

– 荒削りなビジネスモデルだが、世の中の流れに乗れば、面白い宗像のアイコンになると予感した。

– 具体的な構想が分かりやすく発表されていました。

– ご友人が絶賛されたチキン南蛮と様々なタルタルを食べてみたいです。宗像の生産者とのコラボ(〇〇さんの朝どれオクラのタルタルみたいな)のような展開も期待したいです。

審査員がタルタルおむすびを試食している様子
タルタルおむすびを試食

櫻たかこさん|防災と就労支援をつなぐ「防災ポーチ」

会場で防災ポーチの事業についてプレゼンする櫻たかこさん
「義足の防災士」櫻たかこさん

三人目は義足の防災士、櫻たかこさん。

右足の膝から下を失う事故を乗り越えて、自分だけでなく多くの方が「夢をかなえる」活動をご支援されている。

パラリンピックの旗手を務められたこともある。

櫻さんは、障がい者就労支援(工賃向上)と企業のBCP対策を掛け合わせた「防災ポーチ」の展開を紹介してくださった。

これからは、障害をもった方々に講演のノウハウを伝えたり、それをフランチャイズ化されることもお考えのよう。

現地で話を聞かれた方々のご意見はこちら。

– 視聴者が当事者になれる切り口で入り、数字や実績を出しながらロジカルに説明されていたので、今後の展開に信頼がもてた。

– もっとビジネスモデルをうまくすれば、面白くなる事業だと感じました。

– おもしろきこともなき世をおもしろく すみなすものは狂気なりけり、と宮崎社長はおっしゃったが、一番の狂気を感じました。質疑の時にあった障害の方に事業をフランチャイズしていくことが目標と答えられていたことに感慨を覚えたから。

– 義足という障害をかかえながら、60歳過ぎて社会に貢献する姿は、素晴らしい。

– 福祉のこと、家族のことを防災を通して改めて考えることができる、素晴らしい事業だと思います。ポーチの中身が家族構成でカスタマイズできたり、ポーチの中身が家族や会社内での会話のきっかけにもできそうですね。

スクリーンを背に、夢をかなえる活動について語る櫻たかこさん
櫻さんの講演には夢が詰まっていた
審査員が防災ポーチと夢カードを手に取りながら内容を確認する様子
防災ポーチと夢カードを手に取る審査風景

中村亮介さん|公務員の副業・兼業をひらくプラットフォーム

会場で公務員の副業プラットフォーム構想をプレゼンする中村亮介さん
「公務員の副業プラットフォーム」中村亮介さん

4人目のご登壇者は公務員の中村亮介さん。

公務員の「副業・兼業」を適正に促進・管理するためのプラットフォーム事業という、現代的課題でこれからの地方公共団体の未来を左右する可能性がある事業。

今回のアイデアの中で、難易度は最も高い。

ただ、難易度が高い、は事業のスケールの大きさともいえる。

中村さんのような公務員が、官と民の境界をにじませ、にじみのなかに新たな色を生み出すことができれば地域はカラフルになっていくに違いない。

私は現職の公務員の方がこのようなアイデアを聴衆の前で開示した、その覚悟と思いに胸が熱くなった。

現地のご意見はこちら。

– どれも素晴らしくて正直1つに絞れませんでした。あえて言うならば、1番難しくて1番いつかは誰かがやらなければならない内容と感じたのでこちらにさせていただきました。

– まちへの愛が伝わってくるすばらしいプレゼンでした。

– 副業支援に限らず、中村さんの行政と民間をつなげる今後の活躍を楽しみにしています。


阿部沙織さん|地域密着SNS広報室という挑戦

会場で地域密着SNS広報室の構想をプレゼンする阿部沙織さん
「地域密着SNS広報室」阿部沙織さん

オオトリは阿部沙織さん。

アイデアは、地域に密着したSNS代行サービス(Instagramや公式LINEのサポート)。

とにかくプレゼンの勢いと歯切れのよさ、ストーリーの分かりやすさはズバ抜けていた。

吉本の芸人さんへのSNSサポートなど、実績も十分で、リハーサル聞いたときには個人的にお願いしたいなと迷った(笑)

さて、会場の声はこちら。

– キャッチフレーズを使い分かりやすく、ビジネスとして良いように感じました。

– 宗像をより良くしたいという熱意が伝わって来た。ただ、ビジネスとしてSNSを発信したいと思う事業者がどのくらい居るかはマーケットの部分は未知数。

– 唯一無二のストーリーを伝えるというお考えにとても共感しました。思いが届いてくるプレゼンもよかったです。

– 集客や認知拡大に悩んでいる事業者の皆さんにとって、地域に特化したサポートは心強く、魅力的なサービスだと思います。これからの展開を楽しみにしています。


審査は難航。結果発表へ向かう時間

白熱のプレゼンテーションタイムだった。

終わったときの正直な感想は、こりゃ審査は面倒だな、だ。

うーん、と悩みながら審査員は別室へと入る。

審査の間、会場では第1回のビジコン優勝者であるカフェ トコトコ早井さんの講演が始まる。

早井さんの「いま」を聞きたかったが、それは叶わず。

そしていよいよ審査が始まる。

審査は、地域性、社会性、経済の波及性、実現性、市場性、革新性、起業家精神といった観点から評価することにしている。

(また、会場にいらっしゃる方にもオンライン投票をお願いした)

予想どおり、審議は難航。

誰かが何かを言うたびに、右に左に揺れる。難航どころか難破船の漂流。

話し合いで合意に至らなかったため、最後は投票により決着をみた。

審査員はいそいそと会場に戻り、いよいよ結果発表のとき。

私は主催者として表彰をしないといけないのだが、この日、スーツの上着を忘れていたことに気づく(笑)。

あわててイッコーを呼び、「イッコーが行く」のブログが不評で連載が滞っているイッコーのジャケットを借りる。

そしてこのイッコーのジャケットが小さい(笑)。

チンドン屋か頓珍漢かといっていいパツパツさ(最近、身近に頓珍漢という(私にとって)忘れさられた言葉を使う人がいて、その影響だ。頓珍漢の語源を初めて調べたあと、たまたまその語源のジャンルの工房の映像をみて、なるほど!と膝を打った)。

袖と丈の短さを気にしながら、結果発表のために登壇者と並び、優勝者の名前を告げさせていただいた。


優勝は三木博文さん

優勝は「漆染め」の三木博文さん!

おめでとうございます!

審査員の評価のポイントは、エシカルな商品アイデアなのはもちろん、アパレルや伝統工芸との新たな掛け合わせにより、この先に新たなビジネスが想定されることが高く評価されてのことだ。

ひとこと求められた三木さん、満面の笑みの優勝コメントに続き、(私が気になっていた)副賞の賞金は特許の登録に使いたいと語られた。

どうぞ!

優勝した三木博文さんと、賞状・賞金パネルを持つ宮崎さん
優勝した三木さんと丈の短いジャケットの宮崎
優勝後、マイクを手にコメントする三木博文さん
優勝者あいさつをする三木さん

2時間半の熱が、次の挑戦を呼ぶ

最後にこの場に集った全員で集合写真に収まり、2時間半のイベントは無事に終了。

ここから何人の方々が、地域に新たな元気と、喜びをもたらしてくれるだろうか。

たのしみでしかない。

そして、その熱にあたっていたい。

もちろん、(梵天丸ならぬ煩悩丸の)私自身もかくありたい。

イベント終了後に関係者全員で撮影した集合写真
イベント終了後、関係者全員の集合写真。お疲れ様でした!

次回開催は2年後?の予定だ。

たくさんの人生がつくる、それぞれのビジネスアイデアは、枯渇することを知らず私たちを驚かせてくれるだろう。

私たち、くりえいとは起業希望者を応援します。

いつでも。

(最後はまたスガシカオ『Progress』で)

あと一歩だけ、前に 進もう

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