韓国・金海市との姉妹都市交流から見えた未来|宗像のまちづくりと民間交流の可能性

2026.05.25
韓国・金海市の伽耶文化祭で宗像市紹介ブースを運営した関係者の集合写真に、姉妹都市交流から見えた未来というタイトルを入れたアイキャッチ画像

福岡県宗像市と韓国・金海市の姉妹都市交流は、文化祭への出店だけでは終わりません。現地での出会い、企業交流の兆し、大学視察、そして支えてくれた人々の存在から、宗像のまちづくりと地域事業のこれからを考えます。

韓国・金海市の伽耶文化祭で宗像市紹介ブースの運営と通訳を支えたズノウ日本語学校のみなさまとの集合写真
韓国・金海市の伽耶文化祭で宗像市紹介ブースの運営と通訳を支えていただいたズノウ日本語学校のみなさま。

みなさま、こんにちは!やっと体調が回復してきた宮崎です。
今回の韓国・金海市への定例訪問は、一言でいうなら「未来の橋を探しに行って、箸ぐらいの柱を立てた旅」だった。


宗像市と金海市の交流を、一過性の文化祭で終わらせないために

そもそもの目的は明確だった。
福岡県宗像市の姉妹都市である韓国・金海市の伽耶文化祭に「宗像市紹介ブース」をボランティア出店して3年目。
宗像市と金海市の姉妹都市交流を、文化交流だけでなく、民間レベルの経済交流へ少しずつ進化させること。
文化祭に出店して宗像市の事業者が作る特産品を紹介したり、おみくじを引いてもらったり、古代衣装を着てもらったりしながら、それが一過性の「お祭り」にならない「何か」を探していた。

韓国・金海市の伽耶文化祭で宗像市の地域産品が並ぶ宗像市紹介ブースの様子
宗像市の地域産品が並び、多くの来場者でにぎわった宗像市紹介ブース。

ただ、現実は理想よりだいたい少しだけ泥くさく、透明だ。
この2年間、金海市で様々な方にお会いする機会をつくっていただき、人間としては深い結びつきを得られもしたが、なかなか「ビジネス」という地域間交流にまでつなげることができていない。

そして今回の訪問時は日ごとに体調が悪くなり、砂時計が落ちていくように刻々と体力がなくなっていった(笑)
しかし不思議なもので、体調が悪いからといって世界は(金海市は)止まらない。むしろこちらが止まりそうな時に限って、ずず、と話は動くし、予定も入る。


企業交流、宗像ツアー、紙ドローン。小さな接点が次の事業になる

そして今回、初めて「これは将来何かになるかもしれない」と思える話がいくつか出てきた。

金海市商工会議所からは、金海市と宗像市の企業同士の視察交流の提案をさせていただけそうだ。

韓国の旅行会社からは、宗像ツアーの企画次第では送客の可能性を示唆いただいた。

そして個人的にかなり面白かったのが、紙でつくるドローンを開発している会社(製紙会社)との出会いだった。

紙のドローン。
最初聞いたときは、正直「飛ぶ前に人生相談が必要そうな乗り物だな」と思った。

しかし聞けば、子ども向けの学習やレースイベントなども行っていて、日本でも実績があるという。もしユリックスや遊び場Mu-Moで紙ドローン大会なんてできたら、かなり景色が変わるかもしれない。
手を使い、頭を使うことで、おもしろさだけでなく、子どもの科学への興味を培う、という意味で。

韓国・金海市の来場者が宗像市の産品を手に取り説明を受けている様子
宗像の産品を手に取り、ブーススタッフと交流する金海市の来場者。

いまはどれも、まだ細い線だし、足でさっと払えば消えそうな運動場の線ぐらい危うい。

でも、人と人の関係や仕事の始まりなんて最初はたいていそういうものだと思う。

スタートは細く、不安定で、頼りない。
けれど何度も人が行き来すると、その線はいつの間にか立体となり、質感を増し橋になる。
今回見えたのは、そんな橋の設計図(いや箸で作った模型か)みたいなものだった気がしている。


マサン大学で見た、韓国コンテンツ産業の厚み

そしてもうひとつ、今回かなり衝撃を受けた経験がある。
金海市近郊のマサン大学メディアコンテンツ学科の視察だ。

韓国・金海市近郊の古墳エリアでマサン大学の学生から映像取材を受ける宗像経済新聞の中村さん
マサン大学メディアコンテンツ学科の学生から取材を受ける宗像経済新聞の中村さん。

そこには映画、アニメーションなどを制作するための設備が並んでいた。

韓国の映画やドラマがなぜ世界で評価されているのか。
その理由の裾野を見た気がした。
「ああ、おもしろいものって突然空から降ってくるんじゃなくて、こういう土台の上にできていく(ロジックがある)んだな」と。
また、フィクションや学術的な制作だけでなく、学生たちのスキルを活かし、市の補助で地域の事業者にビジネスの成長のためのコンテンツづくりを指導するようなこともしているようだった。

そしてその大学で、なぜか私と宗像経済新聞の代表の中村昌史くんが映像コンテンツの素材になった。

世界遺産担当の学芸員さんの案内で古墳や施設を回っていると、15人ぐらいの学生がカメラを持って周りを囲んでいる。
前から撮る。
横から撮る。
後ろから撮る。
急に接写する(笑)

カメラの圧力は想像以上だ。
俄然歩き方がぎこちなくなる。
急に手の置き場がなくなる。いつもどこに手を置いていたっけ?
人間は撮られていると、こんなにも「普段の自分」が消えていくものなのか。


華やかな国際交流の裏側にある、地味で確かな積み重ね

またついつい話がそれてしまったが、海外交流というのは、華やかな写真の裏側で、実際は結構地味だ。
日本から荷物を運び、言葉が通じず、体調を崩し(笑)、洗濯機を回しながら夜を過ごす。

だけどたぶん、そういう地味なものの積み重ねの先に、ある日突然、色のある橋が完成するのだと思う。

韓国・金海市の伽耶文化祭で歴代の親善大使のみなさんと宗像市ブースを運営する様子韓国・金海市の伽耶文化祭で歴代の親善大使のみなさんと宗像市ブースを運営する様子
歴代の親善大使のみなさんにも、宗像市ブースを楽しみながら支えていただきました。

そしてそこに、アンサング(歌われない)な多くの金海市の方々の手助けがあったことを忘れてはならない。
今回も、宗像市・金海市の歴代の親善大使のみなさん———
タク・ジンミさん、キム・ヒョンミさん、キム・ヒョンスさん
そして、
ズノウ日本語学校の学生さんたち、金海市役所のみなさまにも大きなご支援をいただいた。
彼ら彼女らあっての私たちの活動だ。これは掛け値なしに言える。
改めてお礼を申し上げたいし、いつも感謝しかない。

ぜひ来年、伽耶文化祭に参加して地域交流のかけ橋の一部になりたいと思われた宗像の方は、遠慮なくご連絡ください!

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